クリスマスマーケット楽しかった。
普段は見ないものが多い、物はもちろん食べ物も。
グリューワイン美味しかったな……家でもできるかな。
会場の中心部にある大きなクリスマスツリーのライトアップも素敵で、思わず見惚れた。
吏来からは一緒に写真撮ろうかって言ってもらえて、でも吏来はブレるから私がやるねと、背伸びしながらクリスマスツリーを背景にツーショットを撮ったのは多分忘れない。
すっかり日も暮れて、ますます街中の灯りが目立つ時間だ。
寒いけれど、どこかに座ってゆっくりイルミネーションを見るのもいいかも、と思っていたけれど吏来が近くに置いてあったパンフレットを手にして私に見せる。
「大さん橋からだとみなとみらい全体の夜景が見れそうだけど、行く?」
「行きたい!」
「歩いていく?それとも電車で行く?歩くとそれなりにありそうだけど……」
「歩きで、吏来とイルミネーション見ながらがいい」
ここの海沿いを歩いていくのいいなって思うし。
吏来は穏やかな表情のまま、じゃあ行こうかと私の手を取った。
寒くないようにね、と繋いだ手を吏来は自分のコートのポケットに入れる。
いや、確かに温かいんだけど、なんか違うような気がするな……?
まあ、いいかな……?
暗くなった港町の海風は強くはなくてもそれなりに冷えた。
温かいもの飲んでいてよかったかも、塩気ほしいって思ってヴルストも食べられて満足だし。
赤レンガ倉庫から離れても、クリスマスマーケットの灯りは大きいし、気のせいじゃなければここら一帯の灯りが同じ色で統一されている。
なるほど、これは確かに日本新三大夜景に選ばれるかも。
年々規模は大きくなっていっているような気もするし。
都内とは違った風景にきょろきょろしながら吏来と歩いていると、ふふ、と吏来から笑いが零れた。
「なに?」
「いや、そうやってしているの可愛いなって思っただけだよ」
……吏来のそれが本当だっていうのを知っているから恥ずかしいな。
繋いでいるだけだった手が、いつの間にか指を絡めている。
温かいけれどこそばゆい。
そんな、優しそうに目を細めてこっちをじっと見なくてもいいじゃない、イルミネーション見ればいいのに。
「俺は名前を見たいから」
「……い、イルミネーション見なよ」
顔が熱くなる、きっと赤くなっているんだ。
暗い時間だけれど、イルミネーションで明るい街中ではすぐバレてしまう。
顔を背ける前に気づいて吏来がもっと表情を緩めて距離を詰める。
うう……そんな至近距離で私のこと見ないでほしい。
本当に恥ずかしいんですってば。
可愛い可愛いってそんなに何回も言わないで。
落ち着かない中、目的地までやってきて、広場へ上っていく。
ほとんど海の真上みたいな場所で、風も強い。
でも、景色がすごく綺麗。
大さん橋から見えるみなとみらいの景色ってこんなに綺麗だったんだ。
テレビでよく観てはいたけれど、こうやって実際に見るのは初めてかもしれない。
「綺麗……」
冬は空気が乾燥して澄んでいるから、こういう景色もいつもより綺麗に見えるとは言うけれど。
思わず欄干に寄りかかって景色に見入っていると、吏来が私の手を引く。
「もう少し上から見よう?」
階段を吏来に手を引かれながら上がった。
海の方は真っ暗なはずなのに、とても明るくて圧巻されてしまう。
この広場もライトアップされているだけでなく、プロジェクションマッピングもされている。
子どもたちは動くと反応のある映像にキャッキャッとはしゃいでいた。
このウッドデッキに投影されている映像も、みなとみらいの夜景もとても綺麗。
「来てよかったなあ……」
吏来と来れてよかった。
よかったなぁ、この日のために休み取れて。
「今度来たら、あ、クリスマス関係ないけどね」
「うん」
「俺と観覧車乗ろう?今日はもう遅いから無理だけどさ」
「……ん」
頷けば吏来の表情が柔らかくなる。
そしてそのまま私に顔を近づけると、柔らかい唇が私の唇に重なった。
突然のことで思わず固まってしまう。
ちょっとだけ唇に吸い付いた後、ちゅ、と音を立てて離れる。
「……あ」
「メリークリスマス、来年も一緒に過ごそうね」
そんな、嬉しそうな顔をされたら、急にキスされたこととか、怒れないじゃん。
吏来の言葉に頷くと、吏来はもう一度私の唇にキスをした。
