京都に来た。
のはいいけど凄くしんどい。
簡易な魔除けのマスクをつけてもしんどい。
ここに右目があるからなのか、何かを感じ取ったから体調悪いのか。
でもそんなこと言ってられない。
いつもより多く薬を飲んで無理矢理奮い起たせる。
「おま……病人かよ」
「うるさいな。私に任務渡したメフィストに言ってくれよ」
深部で不浄王の右目を確認した直後なんてもう酷くて酷くて。
候補生たちに弁当と飲み物配ってからはテーブルに突っ伏してうんうんと唸っていた。
それにしても、ジュースと缶チューハイを間違って渡すのはアウトでしょうよ。
お楽しみが……と落ち込むシュラを横目に 私の手元に間違ってきてた缶チューハイを渡す。
ほら、未成年だもの、飲んだらアウト。
「そんなんで戦えんのかあ?外してもらう?」
「はっはっは、じゃあメフィストに連絡してよあいつ面白がって外さないから絶対。ごほっ」
「普段からゲーム壊してるからだろ……」
咳き込んでいると、シュラが呆れながらも背をさすってくれた。
苦しいなぁ、あまり外に出たくないし、何よりもう深部行きたくない。
雪男くんから多めにワクチンもらっているけれど、足りるだろうか。
早くこんなの終わらせて帰りたい。
でも私は祓魔師だから、やらなくては。
半分くらい残った弁当に蓋をしてシュラに手渡す。
作ってくれた勝呂くんのお母様たちに悪いけど、ちょっともう食べれる気がしない。
ここまで酷いのは久々かも、多分。
「無理すんなよ?今のうちに休め」
「そうする」
怠い体を動かして椅子から立ち上がった。
一度出張所を見回ってから休もう。
この件が明陀宗絡みのいざこざだとするのなら、もしかしたら彼らの身内が関わっているのかもしれない。
缶チューハイを飲み始めてるシュラにそう告げて重い足取りで歩き出す。
さて、今日はあともうひと踏ん張りだ。