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今度は別件でヴァチカン本部に呼び出された。検診でもないし、他には呼び出されることに心当たりはないんだけど。シュラが一緒に来るのはいい、雪男くんがいるのも理解できる、けど!「あーやだやだ嫌いな上司もいるとかさー」「置いて帰りますよ」「学校ある…

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「……お前療養しに行ったんだよな、ヴァチカン本部に」「うん」「なんでそんなにデレデレした顔してんだよ」「エンジェルさんがお見舞い来てくれた!!可愛いボトルフラワーもくれてね!部屋に飾ってる!」「あ、そ……」なんでこいつはあのハゲのこと好きな…

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ヴァチカン本部の医務室ではベッドで横になりながら資料を読むか、メフィスト経由で送られてくる学校の課題を片付けるか、それとも寝るかだった。だって一応病人だし、重症の。でも暇だ。凄く腕のいい医工騎士の人に処方された薬を飲んで、効き目の強い点滴打…

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「ご気分はいかがですか?」「さいっあく」虎屋の一室だろうか。珍しく祓魔師の正装のメフィストがにまにまと私を見下ろしていた。額に乗っかってた手拭いを取りながら体を起こすと、腕に点滴の針が刺さっている。パック自体は2つ。……一番重症なんじゃない…

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戦っていて凄くしんどいと思うのは、初めてだ。特殊なマスクを被っていても呼吸がしづらい。頭が痛い、目眩がする。腕にできる胞子嚢にワクチンを打って、迫りくる金塊を火炎放射器で焼き払う。手騎士の称号のない私は火蜥蜴の召喚はできないし、まだ魔剣との…

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京都に来た。のはいいけど凄くしんどい。簡易な魔除けのマスクをつけてもしんどい。ここに右目があるからなのか、何かを感じ取ったから体調悪いのか。でもそんなこと言ってられない。いつもより多く薬を飲んで無理矢理奮い起たせる。「おま……病人かよ」「う…

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鏡を見るのが嫌いになった。この髪が、目が、段々と変色して、顔は私なのに私じゃないみたいで気味が悪くなってきた。両親からもらった、自慢の黒い髪に黒い目、日本人の象徴だと言う様なものだったのに。同級生や知り合った人たちに聞かれるのも嫌だ。毎回毎…