なぁにが猫の日だ、のらりくらりと逃げられたけどあの破綻系JK次会ったら丸裸にしてやる。
誰の何の個性使ったか知らないけれどつけられたものがなかなか外れない。
まさか接着剤の類ではないと思うけれど、マジで取れない。
無理矢理外そうとしたら何故か頭皮痛いし髪の毛何本か抜けるし諦めた。
今日1日は外れませんから~なんてニヤニヤしてたトガはほんとに締め上げる。
とりあえずパーカーのフードを被って誤魔化すことにしよう。
そう思って定位置のソファーでフード被って寛いでいたんだけど……まあ、そんな寛げる時間は一瞬で終わるわけで。
現在、私は死柄木と取っ組み合いの喧嘩中。
私?マウントポジションとりましたとも。
「おいおいおいおい、またかよ」
今度は何が原因だ、と巻き込まれないように距離を取っている荼毘が呆れたように零す。
死柄木と同じタイミングで荼毘の方向を向いた、けどお互いギリギリと組み合っている手を解いたりはしない。
……死柄木も器用に指全部で触らないようにできるもんなんだな……言ってやらねえけど!
「……名字、それはお前の趣味か?」
「ガチで言ってんなら次の獲物はお前にすんぞ荼毘……!」
「少しからかっただけでこれだぞ、代われ……!」
「断っとく、どっちもな」
そりゃイライラしながらも寛いでいたのにからかわれたら喧嘩買うしかないだろ。
悪くない、私悪くない。
ただでさえストレス溜まるのにこれ以上溜めてたまるか、ストレスフリーになりたい。
お互い殴るわ蹴るわ引っ掻くわ引っ張るわをして生傷をつくった。
死柄木の頬には私の爪の跡残ってるし、私も腕や顔がヒリヒリする。
「……キャットファイト?」
誰かがそう口にした気がした。
誰だったか忘れたけれど、きっと死柄木と同じことを思ったかもしれない。
──今のやつしばこう。
とりあえず目の前の男と喧嘩の決着をつけるために手を解いて、この一瞬後に止められる拳を振り上げた。