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電脳世界の幽霊少女②

この体って基本的に疲れ知らずなのはありがたいな、なんて思いながらBGくんとインターネットを歩く。いつもすごいなって思うよ、電脳世界にも街のような集まりがあって、そこで生活するかのように活動しているナビが多いから。商売として成り立っているのは…

電脳世界の幽霊少女①

──いいなぁ、ずるいなぁ。声が聞こえる。──わたしと同じ顔なのに、あなたもわたしなのに。この声の主を、私は知っている。──ねえ、わたしとその場所、とりかえっこしよう?この声は、〝私〟の声だ。──いいよね、あなたもわたしだもん。でも私、こんな…

フォルテに送り届けられる

「あれ、なあに?」俺の外套の裾を掴みながら子どもがそう言う。ついさっき泣いている子どもを拾ったばかりだ。いつもならそのまま放置か適当に消去するが……なぜか、そんな気が起こらなかった。どう見ても、ナビやウイルスの類ではない。──人間か、しかも…