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野球少女も泣く

「……」「……」唇を噛み締めて、拳を握り締めて、顔を下に向けたまま泣き出しそうなになんと声をかければいいのだろう。影山の元へ駆けつけた後、追いかけてきたのは少しの間行方がわからなかった。源田の説明によると、影山の指示で不動が連れてきたらしい…

同じ舞台に立てない野球少女

部屋から出たのは、雷門イレブンが来てからだった。モヒカン頭の不動くんに手を引かれて、なぜかベンチへ。聞けば、特等席で見せるのと監視込みらしい。いやいや、確かにいつ逃げようかと考えてたけど。今も考えてるけど。うーん……私の態度から有人なら不本…

攫われた野球少女

「佐久間……源田……なんか、いつもと違うね?」あんた眼帯それどうなってんの、むしろ取っちゃいなよ、ていうかそんな怖い目は隠してよ。そっちだって、そんなに髪の毛もさもさしてたっけ、傷だって、あったっけ?気がついたら真っ暗な部屋の固めのベッドの…

鬼道をお姫様抱っこする

事故だ。これは、事故だ。「……鬼道さん…………」誰かが俺の名前をぽつりと呟く。顔が赤くなっていくのがわかる、とても熱い。決して自分より逞しい腕や柔らかい胸とかに顔を赤くしたんじゃない。男として、これは、これは……!!「有人軽いね!いや私が力…

鬼道が羨ましい

「有人だけゴーグルもらって羨ましい!!」くわっと歯を剥き出しにして素直な言葉を口にした。その後総帥の背中に貼り付いて「私もー!私も欲しいなー!ゴーグルじゃなくていいからー!!」と駄々をこねてたのも覚えてる。「お前は露骨な表現が好きだな」俺に…

鬼道と総帥と保健室

2人とも目元は隠してるけどすんごい驚いてるなー。そんな風に呑気に思いながら氷嚢とティッシュを鼻に当てる。両手使ってるから凄い体勢になってるのは気にしないでいただきたい。けど多分これ無理だな、問い詰められる気がするんだわ。処置台に座る私の傍ら…

佐久間と源田と昼休み

男子とは思えない悲鳴が聞こえたのは昼休みの時間だったろうか。その悲鳴の後に聞こえた名前で誰が原因なのかわかったわけだが。「佐久間ほっそいねー、ちゃんと食べてる?私より細いじゃん」「お、おま……!いきなり何するんだ!!」「魅惑の細腰を掴んで見…