誰かと重ねたら心がまもられるかもしれないの
私に叔父がいた。いたという言い方だともう亡くなってると勘違いされがちだけどそうじゃない。母さんからこっそり聞いたのは、なんでも名の知れた指定敵団体に所属しているから連絡がとれないんだと。叔父に似た個性の私はよく叔父から個性の使い方に気をつけ…
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その手は優しくないはずだった
寝てる時に夢を見て知らず知らずのうちに泣いてる時がある。あ、泣いてたのかな?って思うのは枕元に散らばった真珠を見てからだ。起き抜けに心臓がひゅっと冷える感覚がする時は黒い真珠があって怖い夢見てたのかなって、もうちょっと寝ていたかったなあって…
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テロリストに追いかけられる
何がきっかけかなんて覚えていない。ただ、向こうに遊びのように追いかけられてこっちは命懸けで逃げる、命大事に、こんなのが頻繁にあるなんて願い下げだ。家に帰れば後から波のように襲う恐怖で涙が止まらない。毛布にくるまって、もしかしたらいつか家にま…
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3人とも未熟者だった頃の話
ぴゃああああああと耳を押さえて泣き出した幼いその子を見て俺と山田は「やべっ」と思った。そこに転がってる敵なんかより、この子の耳から流れてる赤いものの方が衝撃的だった。 些細なことが始まりだった。同級生を通じて知り合った幼い女の子と公園で遊…
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死柄木の爪を切る
「爪を出せ」「……は?」右手に爪切りを持ってカチカチと動かしながら左手をこちらに差し出すに眉を顰める。の表情は険しかった。思わず怯むが、思い当たることがない。ふと、自分の爪を見る。いつもの癖で首や顔を掻き毟ってほんのり赤くなった爪、個性で手…
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テロリストが地雷を踏む
「ヒーローの卵だったんだってな?」よくわからんテロリストに個性使わせたオール・フォー・ワンいつかぶん殴る、なんて真顔で思っていたら声をかけられた。I・アイランド、海の上を動く巨大な移動都市、科学者たちが集まる場所。ヒーローやってる従姉妹の姉…
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死柄木は耳元で囁く
憐れだな、と思った。助けてと小さい声でヒーローたちに求めていたのに、オールマイト以外には手を伸ばしてもらえなかった女が。可哀想に、あんなにヒーローがいたのに!あのガキを助けるためにあれだけの、実力を持ったヒーロー共が駆けつけていたのに!たっ…
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死柄木にされるがままの日もある
気が乗らなかった。ただそれだけだ。それを言うと余計に拗れて終わりが見えなくなるのでやめておく。殴られた顔は痛いし蹴られた腹も痛い。口の中は血の味がするし鼻から血が垂れてる。胸倉を掴まれたまま、ぼんやりとしていたら目の前の死柄木が盛大に舌打ち…
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死柄木と猫の日に喧嘩する
なぁにが猫の日だ、のらりくらりと逃げられたけどあの破綻系JK次会ったら丸裸にしてやる。誰の何の個性使ったか知らないけれどつけられたものがなかなか外れない。まさか接着剤の類ではないと思うけれど、マジで取れない。無理矢理外そうとしたら何故か頭皮…
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黒霧はとても困っている
「重い痛い退け」「お前より軽いし細いし退く必要はない」死柄木の言葉の直後、その顔面にの拳が叩き込まれた。……ああ、また始まった。ソファーで惚けていたに伸し掛るように体を寄せていた死柄木が毎回に殴られる……そこから「この暴力女……!」「あんだ…
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心機一転したらどうですか?なんて言ったトガといいわねそれ!なんて同意したマグネによってふたり曰くイメチェンをさせられた。イメチェンと言ってもただ服をコーディネートされただけだ。いつもパーカーだったからいっその事変えましょう!とトガとマグネが…
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「他の皆さんは思い思いに散ってるのにあなたは散らないんですね」「嫌味か。行く場所なんてないから散る必要もないでしょ」さっき死柄木とコンビニ行ったくらい。会いに行く人もいないし、やりたいこともないし、別にいっかなって思う。じわじわと、自分の何…
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