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フレンドリィショップの店員はUBに心を奪われた

危ないから避難を、という声や悲鳴が遠く感じた。割れた空間から現れたのは見たことのないポケモン……いや、ポケモンではないのかもしれない。野生ポケモンとだって対峙してこんなにプレッシャーを感じることはないもの。「──綺麗」口をついて出たのはその…

なにもかもさいしょから

私が何者なのか証明するのは私が持っていたという鞄に入っていたトレーナーカードだけだった。それからいくつかのボール、いくつかの機械、綺麗な石のついたネックレス。私を拾ってくれたオーリム博士が言うには、おそらく私は古代のポケモンを呼び出すタイム…

ヒスイの地で羽休めをする

「ルル、つじぎり」アブソルが大きく角を振るう、爪を振り上げる。ヒュンヒュンと風の切る音がして、衝撃波のようになったそれに目の前のポケモンは真正面から受けてやっと倒れた。ふう、と息を吐き、お疲れ様とアブソルに声をかける。気がついたらこの世界に…

アブソルと雨宿り

しとしとと雨が降る。ポケナビでこの後の天気予報を確認すると、雨はこのまま続くらしい。126番水道の秘密基地、急ごしらえだけど好きなぬいぐるみやクッション、オブジェに囲まれたカーペットの上で寝そべっているアブソルの横に体を横たえた。ルネシティ…

眩暈、碧落、青いビー玉

日差しが強い。カイナシティの浜辺で借りたビーチパラソルの下、年下のやつらが波打ち際ではしゃいでいるのをと見つめる。の手には海の家で買ったサイコソーダ。からんと音が鳴るところを見るに、ラムネのように中にビー玉が入っているのかもしれない。バッジ…

アブソルは夜の海が嫌い

波打ち際をが歩く。履いていたランニングシューズとソックスを濡れないであろう、砂浜の上に雑に置き、幼さの残る表情で遊ぶように進んでいく。先ほどミナモシティに帰ってきたばかりだが、今まで旅をしていた俺以外のメンバーを実家に置き、俺を連れて夜の海…

無知は無自覚な罪

投げつけられた石の痛みを覚えている。あれはまだ旅に出て間もない時だった。バッジもいくつか持っていたし、手持ちの子たちも進化して強くなっていたから私自身も強くなった気でいたのかもしれない。わかっているはずだったのに。その種族のポケモンが人から…

思い出のかけらを集める

は引きこもりというやつだった。いや、家からは出るが範囲が狭い。せいぜい家の周りか家の前の海辺だ。よくも俺を見つけられたなと思う、あんな野性のポケモンがいるところまで。が寝静まる頃にの兄がやってきては俺に話をすることがある。は人間に対してあま…

無知な手は心地よい

目が覚めると知らない場所だった。覚えているのは、しつこいポケモントレーナーとそのパートナーらしいハリテヤマとかいうポケモンに追いかけられたことくらいか。縄張りに戻っても俺のことが気に食わないマッスグマたちに攻撃されたから、命からがら逃げた気…

カナズミシティ

「さん、ポケモンたちの回復終わりましたよ」ポケモンセンターのカウンターで4つのモンスターボールを受け取る。なんだかんだ、もう日も暮れる時間だ。「ジョーイさん、やけど状態ってなんですか?」ルルやヒエン、レインの確認をしてからキノココのボール片…

104番道路(N)

フラワーショップサン・トウカ。お店でもらったきのみを鞄のポケットに入れた。このポケットにはこれからきのみを入れてこう。甘いモモンの実をむくれているポケモンに差し出した。キズぐすりで少し傷は癒えたものの、まだ少し焦げている。「きのこポケモンの…

トウカの森

初めて足を踏み入れる森は鬱蒼と木々が生い茂っていた。意外と薄暗くて、足下に道具が落ちていて、きっと落とした人も気づいてないんだろうなって思いながら道具を拾って、そのまま鞄に入れる。私からしたらキズぐすりはとても高いものだし……とてもラッキー…