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もしも探偵の世界と交わっていたら⑤

「躾には痛みがいいんだと何かの漫画で見かけた気がする」「ったたたたたたたたたた!!」「行け!ねえちゃん!!」「もっとやっちまえ!!てこの原理使えばいけんよ!」「あっ、兄貴ー!!」「うわ……」酷いものを見た。さんのギャラリーにジンとウォッカが…

もしも探偵の世界と交わっていたら④

「いやほんっっっっっとーに世の中クソ過ぎてびっくりなんだけど。私オマエになんつった?危ねえことすんなっつったよな?その耳飾りか?クソガキでも容赦しねえぞ」「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」「ねえちゃんやめたげて!!」「クソ…

もしも探偵の世界と交わっていたら③

「さすがに自分の身内以外を吊るすのはなって思ってんよ、子どもは特にさ。でもさすがにルール守れないんだったらそこのフックに吊るして五人セットでワンコインでオブジェにして売るぞクソガキ共」「ごめんなさいー!」「ルール守りますー!」「もうしねえよ…

もしも探偵の世界と交わっていたら②

「ねえちゃん……本っ当にごめん!」「オレらは断ったんだけど向こうがどうしてもって!でも絶対ねーちゃんに危害行かねえようにするから!!」「断り切れなかったヤク中の野郎フィリピンでも南極でも北極でもサツでも出荷していいから!!」「オレも兄ちゃん…

もしも探偵の世界と交わっていたら①

今日はいい天気だなぁ、お空綺麗。ただし私の心は雨模様だけどな。「ねえちゃん!ねえちゃんストップ!!」「シャレにならねえから!ねーちゃんが殺人犯になっちまう!!」「いいんだよ正当防衛で吊るしてやんだよ私の個展では私がルールなんだよ人のこと犯人…

もしも呪霊側についていたら⑤

「これは治すの難しいだろうな……」そんな気はしてた。疲労からか、張り詰めていた緊張の糸が緩んだのか、ねーちゃんは高専とやらの医務室にあるベッドですやすやと眠っている。家入と名乗った医者が言うには、ただ足をぐちゃぐちゃに潰されたのではなく、元…

もしも呪霊側についていたら④

今日はいい天気だなぁ、いやここ陀艮の領域だから景色も空も変わんねえんだけど。それにそんないつものに浸る暇がない。なぜなら今私は望月に抱えられているからだ。なんでって、なんか知らんがそうなってた。姐さん軽くなったなぁ、なんて言われたけど多分足…

もしも呪霊側についていたら③

「!出てきなよ!」「やだ」「何もしない!もうしないって!」「やだ」「……何してるんだい真人」「夏油!!が引きこもった!」「……」えー、なにこれー。陀艮の領域に戻ってきたらデッキチェアの周りに薄い膜が張られて、デッキチェアの上にいたさんが寝そ…

もしも呪霊側についていたら②

今日はいい天気だなぁ、快晴なのはいいんだけどさ、なんで私はここに連れてこられたんだか。少しだけ足浸してみたら?と言われて山奥にある温泉にいる件について。これで足治んなら苦労しねえんだよ。さすがに腹が立ったので私を下ろした夏油の横っ面を遠慮な…

もしも呪霊側についていたら①

「やあ、調子はどうだい?」「ねえちゃんとの連絡が一日一度だけだから調子なんて乗んねーよクソが」「マジでねーちゃんにあれ以上なんかあったらマグロの餌と一緒に捌いて東京湾に撒くからな」「オマエこいつら刺激しに来たのか取引に来たのかどっちなんだよ…

もしも高専時代のさしす組と出会っていたら⑪

その女は凪いでいるのに恐ろしかった。「こんにちは、今日はいい天気だなぁ」何がいい天気だ、今日は土砂降りだぞ。そう思っても自然と口を噤んでしまう。敵意や殺意も何もない、ただそこにいて私を見ているだけの、中年とは思えない若々しさの女。それからそ…

もしも高専時代のさしす組と出会っていたら⑩

「おかかー!!」「ぐえっ」「あ!ねーちゃんのところに逃げ込むのは狡ィぞ!」「授業で可愛がってやってるだけじゃん、逃げんなよ」「おかか!!」今日はいい天気だなぁ、快晴でお絵描き日和、もう少し周りが静かならな。高専の臨時教員になって十年は過ぎた…