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幸せは誰にでも平等である

ちょっと昔の話をしよう。今世の従兄弟たちとの話。「な、なあちゃん、ちゃん!!これはまずい!冗談キツいって!!」「やめてえええ!!下ろせバカー!!」「冗談でもなんでもねえんだよ。万次郎は人を馬鹿呼ばわりしたからしばらくそのままな。真一郎は連帯…

幸せをもう一度つくりたい

間違いなくねーちゃんだ。オレらと同い年という、以前との違いはあるけれどねーちゃんだ。髪の色も目の色も、細かな仕草ひとつひとつ、大好きで大好きで、ある日突然いなくなってしまったねーちゃんだ。家族構成はそんなに変わってないらしい。ねーちゃんとそ…

幸せはまた訪れてくれる

「ねえちゃん!!」「ねーちゃん!!」「いやどちら様……?」気がついたら生まれ変わっていた。いや、なんでそんなことを言い出したのか聞いてくれ。死んだことは覚えているんだ。好きな空の絵を描いていたら死んだ。なんで死んだか覚えていないし、苦しかっ…

幸せの壊れる音を知っているか

音なんてしない、あるのは非情な現実だけだ。「……ねえちゃん」声をかけても返事はない。暗い安置所、オレの目の前にある台に横たわるその人の頬にそっと手を滑らせた。固く閉じられた瞼、冷たい肌、上下しない胸、竜胆が泣きじゃくる声、いつものやつらが嘆…

もしも灰谷竜胆とそういう関係になっていたら③

「らんちゃん、オレとーさんキライ」突然の甥っ子の言葉に目を丸くした。竜胆がねえちゃんと籍入れてそれなりに経つし、なんなら子どもだっている。竜胆そっくり、でも髪や目の色はねえちゃんかな。そりゃあ元気なクソガキで、悪戯すりゃ竜胆が怒鳴る、怒る、…

もしも灰谷竜胆とそういう関係になっていたら②

「……何してんの?」「竜胆が忘れ物したって言ってたから届けに来たら絡まれたので教育的指導してた」「に絡んでいたから締めたついでに関節技教えてた」「竜胆、ねえちゃんをこれ以上やべえねえちゃんにするな……!」「が楽しそうにしてるからつい」「竜胆…

もしも灰谷竜胆とそういう関係になっていたら①

「」「なに」「ー」「だからなに」「へへ……いや、いいなーってさ」今日はいい天気だなぁ、明日大雨らしいけど。特に今日は作業の予定はないのでリビングのソファーでコーヒー片手にだらだらと過ごしている。ただ、そのソファーと私の間に竜胆がいるけれど。…

もしも灰谷蘭とそういう関係になっていたら③

兄ちゃんとねーちゃんが入籍した。五年くらい前、兄ちゃんの念願叶ってねーちゃんは灰谷になった。兄ちゃんの舞い上がり具合やべーの。どんくらいやべーって、あの三途がオレに肩ポンするくらい。ずーっと幸せそう、そんな兄ちゃん見てるとオレも嬉しいし、楽…

もしも灰谷蘭とそういう関係になっていたら②

目を開けると目の前にドアップの蘭の顔があった。びっくりした……そうだ、昨日一緒に寝たんだわ。なんか慣れない寝心地だなと思ったら蘭のベッドだ。いつも布団の私にベッドはまだ慣れない。すぅすぅと寝息を立ててる蘭を起こさないように体を起こしてカーテ…

もしも灰谷蘭とそういう関係になっていたら①

「ねえちゃん、好き。従姉じゃなくて、ひとりの女として、超好き」「……え」「きっと二年前に言ったらガキが何か言ってんなって思われんだろうから待ったの、オレ本気だよ」ねえちゃんが好き。それはずっと変わらない。オレらのために親よりも誰よりも怒って…

もしも佐野真一郎とそういう関係になっていたら②

「びっくりしたああ!オマエら来るからボコられるのかと思ったー!!」「はァ?やるわけねえだろねえちゃんとイザナに締められんだからさァ」「つーか感謝される側なんだけどなァ、強盗未遂から助けてやったのオレらじゃん」「いやそれは感謝してるけどオマエ…

もしも佐野真一郎とそういう関係になっていたら①

「オレおかしくねえよな!大丈夫だよな!?」「シンイチローしつこい」「お姉ちゃん待ってるよ!」「だってデートだぞ!かっこ悪くねえ!?」「へーきへーき、かっこ悪くても姉ちゃん気にしねーって」「お姉ちゃんもうちょっと待っててー!」今日はいい天気だ…